実写版『白雪姫』を見た感想
こないだ実写版の『白雪姫』を見に行きました。
世間ではポリコレがどうだのとか言われてめちゃくちゃ燃えていますが先にこれだけは声を大にして言いたいです
この作品は騒がれているほどにはひどくないです
ただ面白いかどうかといわれると、どちらかというとつまらないのは事実だと思います。それとポリコレ要素自体はあるにはあったと思いますがが個人的にはそこまで気になりませんでした。他のレビュー見てると結構ポリコレや設定や表現についての批判が多いように思えましたが、そのあたりの問題よりもプロット自体の問題のほうが大きいというか根本にあるように思えました。
私はアニメ版のほうは見たことは無く、白雪姫については小さいころに絵本で読んだくらいの記憶しかないです。なので原作と比べてどう、みたいなのはよくわかんないです
以下、ネタバレ注意
序盤
旧王(白雪姫の父)による豊かな暮らしから新しい王女にって貧しくなった暮らし、王女に言われるがままにしていた白雪姫が盗賊のジョナサンと出会い、民に対し自分にできることをしようとする。王女に対し進言したり、囚われていたジョナサンを逃がしたりという行動をとるうち王女の反感を買い殺されそうになってなんやかんやで白雪姫が森に逃げる、という流れ
序盤に関しては結構よかった思う。テンポもいいし、ジョナサンとの出会いによる白雪姫の心情の変化で物語の始まりとしては結構引き付けられた。この序盤の流れから映画テーマ/ゴールは「富を独占している現在の王制の打倒/改革」みたいなものかなーっていう印象を受けた。
あとは楽曲もかなり良かった。個人的には『Good Things Grow』がハモリが良いし高揚感あってかなり好き。
多少展開に関して突っ込みどころはあったけど個人的にはまあそういうものかと思って納得でき、そこまで大きな問題には感じなかった。
中盤
七人の小人との出会い、そして盗賊団との出会い、それから女王の軍に追われてなんやかんや白雪姫とジョナサンが良い感じになって、ジョナサンが捕まったあと脱獄して、白雪姫が毒リンゴで眠って、それをジョナサンが起こして、これから女王をどうにかしに行くぞ、みたいな流れ
ここが結構だれてた。中盤では全体的に主人公の白雪姫の(プロットにおいての)モチベーションが全然見えなかった。七人の小人との出会いについては結構尺が割かれていたけど多分まるまるカットして代わりに一時拠点とする小屋だけ用意します、とかでもプロット上は問題なかったと思う。まあそんなことをしたら白雪姫ではなくなってしまうが、それはそうとそういったシーンはもうちょっと短くしても良かったと思う。
盗賊団とのやりとりもだらだらと進んでいった印象。盗賊団って何人かメンバーいたのにジョナサンしかほぼしゃべってないし、ジョナサンと白雪姫の口論が長い。軍と対面した後も似た展開が多い。もうちょっと短くするとか、他の盗賊団と仲間のセリフや行動を挟むことによってもっと変化を加えるとかがちょっとほしかった。あと昔の王様がどうとかそういう話がでてきた割に結局昔の王様がプロット上ほとんど活きていなかったのも気になる。大事な設定なんだしもうちょっと活かし方あったと思う。
毒リンゴ周りのシーンはちょっと唐突感あるし突っ込みどころもあるけど、まあ尺そんなに使ってないし、ファンサービスみたいなものかなってことで個人的にはぎりぎり許せた
終盤
白雪姫が王国へ行き、王国で白雪姫がかぶっていたフードを外すと国民たちが何となく白雪姫のほうに意識を向けて、みんなで『Good Things Grow』のリプライズを歌う。その後女王が現れて、白雪姫をとらえるけど白雪姫が兵士たちを説得、なんやかんやで女王は自滅する、みたいな流れで終わり
クライマックスのはずなのに締まらない。ラストは白雪姫サイドと王女サイドでバチバチに戦ってほしかった
そもそもなんで国民が白雪姫の味方(?)っぽくなったのかも良くわからなかった。ここはひとつ白雪姫に
「我は先代王の娘、白雪姫である。いまこそ悪しき女王を討つとき、人民よ私に続け!」
みたいなセリフを言ってほしかった。というか私の頭の中のイマジナリー白雪姫はすでにこのセリフを言っていて、いつこのセリフを言うのかとずっとまっていた。実際はそんなセリフ言わずなんかよくわからないまま国民が白雪姫についてきたんだけど。
女王もめちゃくちゃ強い感じの描写がけっこうされていていいラスボスになるんだろうな、と思っていたんだけどこのラストじゃあただのデウスエクスマキナじゃん、白雪姫の行動ほぼ関係ないじゃん...
このクライマックスで映画を見ている人にどういう気持ちになってほしかったのか心底疑問だ。
まとめ
物語が全体として序盤て提示されていた物語のテーマ/ゴールに沿っておらず、物語として何をしたいかがぼやけているという印象だった。
ただ、もう一度言うが騒がれているほどにはつまらなくないし、序盤はすごくよかった。
ディズニー映画『Wish』の劇中歌「This Wish」に関するツッコミと考察(ネタバレあり)
はじめに
先日ディズニー映画の『Wish』を見に行きました。ディズニーのミュージカルは英語版が至高だという思想を持っているため、字幕で見ました。評判通りストーリーはちょっとアレでしたね、音楽はよかったんですが。。。特に劇中歌の「This wish」、曲は非常に良かったんですが、映画視聴中にあの曲が流れたとき、「本当にこの場面でこの曲をつかってよかったのか?」という疑問がうまれてしまい純粋に楽しめませんでした。他にもストーリーについては腑に落ちない点が多かったのですが、ネットでこんなうわさを耳にしました
ソースもよくわかんないしうろ覚えなので微妙に間違っている気もしましたが大筋はこんな感じだったはず。この噂通りのプロット(このプロットを以下pre-Wishとします)だったら、割と「This Wish」の歌詞も不自然じゃないんじゃないか?とか思ったので『Wish』における「This Wish」の不自然な部分の紹介とともに、pre-Wishだった場合「This Wish」がどう解釈できそうかということについて述べていこうと思います。
そもそもpre-Wishの時点で『This Wish』は作詞/作曲されていたの?という疑問が残りますがその辺は本当に全く知りません。そうじゃない可能性も高そうな気がしますがなんにせよ話を進めていきます。なお、タイトルにもある通りWish本編のネタバレを含みます。
「This Wish」の歌詞について
Ariana DeBose - This Wish (From "Wish"/Lyric Video) - You
全編においてツッコミどころはあるのですが大体同じような文句になりそうなのでいくつかピックアップして突っ込んだり考察したりしていきます。まず序盤のこのフレーズ
Open their eyes to all the lies then
Would they change their minds like I did?
"everything I've seen"これ、日本語に直すと「私か見てきたすべてのもの」だと思うんですが、そんなにアーシャってこの時点で大きなもの何か見てましたっけ?強いて言うなら禁断の魔法と保護されている美しい願いたちくらいじゃないでしょうか?でも文脈的には何か自分たちに不利で、悪いものをさしていそうです。劇中だと「マグニフィコ王が都合の悪い願いを叶えないという事実」のみのことをさしていそうですが、それを"everything I've seen"といってもいいんですかね(この辺は英語詳しくないので実のところはこのように表現しても悪くないのかもしれませんが)。
all the lies"全ての嘘(複数形)←これもさっきと同じで「マグニフィコ王が都合の悪い願いを叶えないという事実」のことしか指しませんよね(lieが単数だとeyes, their mindsと韻が踏めなくなるという問題はありますが)?いやそもそも劇中で確かにこのことを明示的に国民に伝えてはいませんでしたがこれは"lies"なんですか?
現状の歌詞だと「マグニフィコ王が都合の悪い願いを叶えないという事実」が本当に悪だったかどうかをこの際さておいても、少し不自然です。しかしこのように考えてみるとどうでしょうか。(以下私による勝手な考察です)
このように考えると"everything I've seen"及び"all the lies"というのが「マグニフィコ王による悪政の数々」であったと考えることができます。また、現状のWishのストーリーでは、サバの願いをかなえてもらえないと知ったアーシャによるわがままを大げさに言っているようなところが多いですが(ほかの人に言っても聞いてもらえない、ここは私のいるような場所ではない、など)、「マグニフィコ王が国民を誑かしていた」と考えるとより自然になりますね。
さて戻って、歌詞の他の部分も見てみましょう。サビで何度も繰り返されるパートです。
To have something more for us than this
私の英語力がないのか、この"more for us than this"が何をさしているのか結局最後まであんまりわかりませんでした。しかし、pre-Wishにおいてマグニフィコ王による圧政と苦しい生活があった、と考えると現状の王による圧政を打ち破りたい、というニュアンスが出てきます。
次は曲調が少し変わってリズミカルになる部分における歌詞です。
But I'm not, no, I'm not past diving in
他の部分も気になりますが、特に気になったのがこの部分です."I'm past dipping my toes in"は足先を水にちょんちょん、とするように物事を試してみる、という意味だと思うのですが、劇中のこの時点でアーシャのやったことといえばマグニフィコ王や家族にちょっと駄々をこねたくらいです。"diving in"は水に飛び込むように大きなことをやるみたいな意味だと思います。この歌詞の前後も含め、このパートの歌詞は「いろいろできる範囲で頑張ったけど、やっぱりこのままじゃだめだ。大きいことをしよう、何をしよう」という意味だと思いますが、やっぱりWishの、この時点でのストーリーでは何を言っているのかよくわかりません。しかしpre-Wishでは以下のようなストーリーであったと考えるとどうでしょう。
こうであったと考えると"I'm past dipping my toes in"はいままでのアーシャによる王政への抵抗をさし"But I'm not, no, I'm not past diving in"は武力による革命をまだ行っていないということをさしていた、と考えることができます。関連して
Yeah, I did what I was told when someone told me, "No"
Now I've got all of this freedom in my bones
But I've still got the lid on so it doesn't overflow
この部分も今までは合法的な枠にとらわれていました、ということだったと解釈ができます。
おわりに
そもそもWishは劇場で一回しか見ていないし設定資料集も何も見たことがなく、記憶と聞きかじりの情報と「This Wish」の歌詞のみを根拠にしているのでたぶん的外れな部分はあるんだろうなーと思います。何か間違いもあるかも?しかし「This Wish」の歌詞はpre-Wishのための歌詞であった、と考えても(というかそちらのほうが)結構つじつまが合う、というところが多そうです。噂でしか耳にしたことのない改変前のWishですが、そのストーリーラインは、非常に面白そうなのでそっちのストーリーを見たかったなあ......